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2008-11-26 Wed 02:29
![]() 海のニオイでいっぱいの1981年の角松敏生のデビューアルバム。やはり思い出すとこれはその後に出たアルバムの方が先で後追いで聴いたアルバム。あまりにも昔すぎてうろ覚え。サザン→洋楽にどっぷりになった間に大江千里、大沢誉志幸、ときたあたりなのできっとそうだな。明らかに岡村ちゃんの前!とにかく自分でレコードが買えなかった頃、貸レコ屋でまとめ借りして聴いた。時代はエイティーズに入ったばかり。まだまだ何も知らず青かった私は好きだの嫌いだの、なんて事よりも新しく耳に入ってくる音が新鮮で楽しくて、そしてこの音を聴いているだけで自分の世界が何故だかわからないけど広がっていくんだーっ!ていうちっちゃい頃からの音楽大好きの気持ちがそれまで以上に毎日毎日どんどん大きくなってって、おそらく私の38年生きてきたちっぽけな人生の中で一番のピーク時だったんだろうな。洋邦ロックフュージョン歌謡曲ムード歌謡クロスオーバー全く関係なしにとにかく耳から入ってくる音は全て楽しかった。もうとにかく音楽が全てで私の世界は回っていたのは今と変わらずだけど、その好きさ加減や頭に入ってくる情報というものはすごい勢いだったと思う。今は曲やアルバムのタイトル、バックミュージシャンの名前すら覚えてもすぐ忘れちゃうしね…。グレイトノスタルジャーと自ら思うのはやはりその頃に頭に入れたもので今も私の世界が回っているって深く思うわけで。最近になって、やはりあの時代はよかったなーなんて一番多感な頃に全てが激しくプレイバック状態だ。そんな中、サザンでいっぱいの夏が去り、秋から猛烈に私の中で凍結前の角松ブームがザッパと共に繰り返し繰り返しきている。やっぱり好きなんだ、KADOMATSU。そしてあの時代が好きなんだ。 80年代といえば、私の場合、コロンよりもディップのニオイ、そしてSEA BREEZE!旧館のココで記事にしたけど(わーぉ、2004年の8月!)、まだこんなにこの商品が普及してなかった時代、なんだかあの容器が好きで好きで、あのニオイをクンクンしてるだけでちょっと大人な気分に浸っていた。友人にくさいと言われようと、毎日携帯用の入れ物にシーブリーズ入れて持ち歩いてつけたりしてたっけ。そんな時代にこのファーストアルバムは全く同じタイトル。そして大好きなブルーのジャケ。そしてそこに映る人は素敵な上唇を持つ爽やかなおにーちゃん。もうそれだけで大人の世界にちょっぴり足を踏み入れたって感じがしたね。当時はトロピカルブーム、摩天楼ブーム(←これは私が勝手に思っていただけだろうけど)なんかもあって、そうそう、サーフィンブームなんかもあった。雑誌「Fine」など、学生のアタシにサーフィンなんてする金銭的余裕もないし、そーいうキャラじゃないし、サーファーカットだって似合うタイプじゃない。そのうえ、新潟はそんなに波立たないからウィンドだろ?…ってわかってるんだけど愛読してたし(当時の部屋は何故か海仕様をイメージ)、なにげにビートルの上にサーフボード乗せるのがかっこいいみたいな、そしてカーステからは洒落た西海岸なサウンド!そして鈴木英人のFMステーションのカセットレーベル切り抜いて壁にペタペタ貼ってたそんな時代。まさに私の中にあるその時代の流行とこのアルバムはピッタリと一致した。そしてレコードをターンテーブルに、針が下りてはじまるこのアルバム、『SEA BREEZE』。ハイヒールのカツカツという音、ドアを開くと楽しそうなパーティー気分な「Dancing Shower」。ああ、カッコイイ。まだまだ思春期真っ只中の私の憧れる大学生の余裕、そしてダンサブルで海の香りでいっぱいのこの音、私を落とすには十分過ぎた。何よりもそれまで聴いてきた日本のロックやニューミュージックと呼ばれた音楽とはちょっと違う、そんな気がした。確かに描かれている世界はバブリーで貧乏くささなど微塵も感じなく、都会の生活を満喫している、そんな洒落た大学生のお兄ちゃんの日常、みたいに思われるかもしれないが、ちがーう。全然違う。それまで聴いてきた日本の音とは違う手触り、そしてニオイがした。 後からこのアルバムで参加しているミュージシャンの面々が恐ろしくビッグだと知る。貸レコ屋で借りる度にバックミュージシャンのチェックを細かくするようになったのは、このアルバムがきっかけだった。なにしろ村上ポンタさんはじめ、後藤次利、斎藤ノブ、鈴木茂、EPO、そしてJake H Conception!山下達郎のマネだろ?みたいに世間では思われていたけれど、そりゃ確かに達郎さんをリスペクトしているのは十分にわかるし、好みが近けりゃそーいう感じにもなる。だけど明らかに違うなーと思ったのは、この人の感覚はもっとエイティーズだった。後に私はこの人からフュージョン、AOR、そして黒い音を学んだ。そして日本のフォークや70年代に広がる風街。それだけじゃない。この人に触れてからだ、目に映る風景を見て音を感じれるようになったのは。目の前に広がる海や夕日を見て頭の中に音楽が聴こえるようになったのは。 このアルバムを聴くと、杏里の『Timely!!』、そして彼の3枚目の『On The City Shore』のジャケットに広がる青に向かって世界が広がっていく海の色を感じずにはいられない。まだ平和で時間がゆったり流れた時代の潮の香りがするような、そんな気がする。このアルバムを聴いてとても優しい気持ちになれるのは、デビューしたばかりの彼の優しい歌い方だけでなく、バックミュージシャンの完璧な演奏だけでなく、これを聴いていた当時のまだ青かった10代の自分がここにいるからなのだろう。不思議なまでに穏やかな気持ちになれるアルバムなのだ。そしてあの時代の海を感じたくてSEA BREEZEのニオイを嗅ぎたくなる。 『SEA BREEZE』(1981) 1・Dancing Shower 2・Elena 3・Summer Babe 4・Surf Break 5・YOKOHAMA Twilight Time 6・City Nights 7・Still, I'm In Love With You 8・Wave まだ若干、若さが目立つ作品ではあるが、それでもデビューアルバムにしてこのクオリティーの高さ。夏が過ぎて、夏のニオイを忘れた頃になると無性に聴きたくなる1枚だ。そしてあの穏やかな気持ちになれる時代を思い出す。このアルバムの中でも若い頃は1曲目とかのノレる感じのがFavだったのだが、ここ数年ずっと聴いているが7曲目のよさは勿論言うまでもないが、ラストの「Wave」にグッときている。素晴らしい。海が見えるでしょ?潮の香りがするでしょ?風景と音の一致、そんな角松マジックにかかったきっかけの曲だ。 Wave / Toshiki Kadomatsu |
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